最近は副業としてブログやYOUTUBEを始める方も増えてきました。仕事だけに留まらずアウトプットし続ける姿勢は素晴らしいものがありますよね。
ただ、せっかくの貴重なアウトプットも受け手側=顧客にとって価値あるものでなければ、顧客はなかなか振り向いてくれません。
この記事では顧客にとっての価値:ベネフィットについて解説していきます。
- 顧客にとっての価値:ベネフィットの意味・重要性がわかる
- コンテンツ(ブログ・YOUTUBE)に盛り込むべき要素がわかる
ベネフィット:顧客にとっての価値
マーケティング用語は難解な印象が強く、とっつきにくい方もいらっしゃると思います。まずは本書で特に重要な二つの言葉の定義付けをしましょう。
- ベネフィット:顧客にとっての価値
- マーケティング:ベネフィットを提供し、顧客からその対価をいただくこと
対価とはお金だけではありません。時間や手間も顧客が対価として支払う価値になります。言い換えるとマーケティングとは価値のやり取り。市場経済はひとつひとつの価値のやり取りの集合体なのです。
マーケティングは専門家の方々だけが考えるものではありません。直接顧客とのやり取りがない部門にも関係することですし、ブログやYOUTUBEなどの副業も立派な価値=時間のやり取りが発生しています。
この世界にマーケティングと無縁の人間はいないといっていいでしょう。マーケティングについて学ぶことは、皆さんの日々の考え方・行動をに大きく影響してきますので、少しずつ学んでいきましょう。
顧客は『穴』を欲しがっている
マーケティングを成立させるためにはベネフィット:顧客にとっての価値を提供する必要があります。ただ、最も大切な顧客にとっての価値を考えるうえで大きな落とし穴があるのです。
本のタイトルにもなっているドリルを題材に考えてみましょう。
あなたがドリルメーカーの営業マンだったとします。あなたは顧客にドリルを売りたい。しかし、顧客は本当にドリルをほしがっているのでしょうか?ここに思い込みのワナがあります。
顧客が本当に欲しがっているのはドリルそのものではありません。彼らが本当に欲しがっているのはドリルを使ってあける『穴』なのです。
つまり、顧客にとってみれば穴さえ手に入ればドリルでなくてもよいのです。ドリルは穴をあける手段の一つでしかありません。手段と目的は明確に異なります。顧客目線で考えてみればごく当たり前のことですが、売り手目線になると意外と忘れがちです。
有名な例としてガラケーがあります。ガラケーの名前の由来は太平洋の孤島、ガラパゴス諸島から来ています。世界から隔絶された離島の中で独自の生態系が育まれた島のことです。
ガラケー:ガラパゴスケータイは皮肉を込めた呼び方として知られています。顧客目線ではなく、売り手目線でいろいろな機能を追加した結果、顧客がもとめる製品とは大きく乖離したものが生まれてしまいました。現在は完全にスマートフォンにとって変わられてしまい、既に過去のものとなっています。
マーケティングのプロと言ってよい大手企業ですら、顧客目線で考えることができていないこともあるのです。常に顧客目線で、顧客が求めている価値=ベネフィットを提供することが非常に大切です。
お金で喉を潤すことはできない
どんなにおなかがすいていても、100円玉を飲み込むわけにはいきません。お金自体は人間の欲求を直接満たすことはできないのです。他のものと交換することではじめて欲求を満たすことができます。
顧客が買う決断をするときは、顧客が得る価値=ベネフィットが 顧客が払う対価を上回った時だけです。
- この製品であれば、これだけのお金をはらってもいい
- この内容であれば、時間を割いて耳を傾けてもいい

この不等式をなりたたせることで初めて価値のやり取りが生まれます。売り手側は、常に顧客が得る価値=ベネフィットを高めることに取り組む必要がありますし、支払う対価を下げる=値下げするといった対策も考える必要があるでしょう。
顧客によって求める価値は違う
ベネフィットは受け取る顧客によって多種多様です。例えば『時計の価値』について考えてみましょう。
『時計の価値は時間を示してくれること』と一言で言いきってしまうのは些か早計です。時計ひとつとっても顧客が考える価値は無数に出てきます。
- 時間を教えてくれる
- カッコよさ・オシャレに磨きを与えてくれる
- スマホ通知の受け取りなどの便利な機能
- 資産・投資目的での保有
顧客が求める価値は欲求という言葉に言い換えることが出来ます。この欲求には様々な種類がありますが、主に『生存欲求』『社会欲求』『自己欲求』の3つが当てはまります。この3つの欲求を『洋服の価値』と照らし合わせてみましょう。
欲求の種類 | 欲求の内容 | 顧客にとっての価値(洋服に例えた場合) |
---|---|---|
生存欲求 | 生き延びたい 快楽を得たい | 寒さから身を守る 肌の保護 |
社会欲求 | 周囲から良く思われたい 認められたい | オシャレ 目立つ センスがいいと思われる |
自己欲求 | 自分自身を高めたい 幸せでありたい | 自分らしさの表現 モチベーションアップ |
ベネフィット:顧客にとっての価値を考える上では、どの種類の欲求を刺激するのかを考える必要があります。これで製品のターゲットも変わってきますので、目的に合わせた価値を創造する必要がありますね。
まとめ:顧客を知り、顧客にとっての価値を提供する!
ベネフィットとは顧客にとっての価値です。自分が作りたいもの=顧客が欲しいものではありません。この部分を間違えてしまうと、マーケティングの一番最初の部分で違う方向に走ってしまうことになります。顧客は製品ではなく価値を買っています。
常に顧客目線で考えることが非常に大切です。顧客が欲しがっているものは何か?はマーケティングの永遠のテーマです。
その上で自分のコンテンツはどんなベネフィットを提供できるのか理解しましょう。あなたの提供するベネフィットが高まることではじめてマーケティング:価値のやり取りが成立します。
最後に、同じ製品でも顧客によってベネフィットは異なることを理解しましょう。自分のコンテンツがどの種類の欲求を刺激するのか?その種類によってコンテンツの内容も大きく変わってくるはずです。
アウトプットノート

書籍紹介
今回参考にさせていただいた、『佐藤義典さんの書籍 ドリルを売るには穴を売れ』。今回は特にベネフィットについてのみフォーカスをあてて紹介させていただきましたが、まだまだマーケティングについての身になる知識が詰まっている素晴らしい書籍です。
内容は物語調になっており、小説としても楽しめるのでサクサク読めると思いますよ。
解説動画
本書に関してはYOUTUBEでも動画を公開しています。