書籍のまとめノート

勝率より損益!『一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学』読書レポート

投資の哲学というと難しい言葉に聞こえてしまいますが、自分なりの投資への考え方は誰しも持っていると思います。

ところが株式投資を始めたばかりとなると、何が正解なのかがわからず、投資自体を躊躇してしまいがちです。

この本の著者である個人投資家のcisさんは、300万円を元手に投資を始められ、現在は最低でも数百億円以上の資産を保持しているそうです。

成功された方の手法を真似するのも一つの方法です。どのようなマインドで投資をされているのか、考え方を学んでいきましょう。

この記事のポイント

・順張りの考え方とその重要性
・投資は勝率ではなくトータルの損益
・ナンピンは最悪の手法
・損切り=敗北を認めること

基本は順張り

株価が上昇局面にあるとき、そのまま上昇すると考えて投資することを順張りと言います。

対して株価が下落局面にあるとき、その株価が反転して上昇に転じると考えて投資することを逆張りと言います。

下記の2つのチャートを見比べてみましょう。
左のチャートは上昇トレンド。対して右のチャートは下降トレンドです。

下がっている株を買う心理は『これだけ下がったら、もうすぐ上がるだろう。』という考え方です。日本人は逆張りの考え方をする人が多いようです。

ずっと右肩上がりの株が明日急に下がるかそのまま上がり続けるか?

確率論で言えば50:50ですが、株価は業績などの外的要因も介在するため、確率論では動いてくれません。

明日の値動きを当てることは誰にもできません。それがわかるのであれば誰でも億万長者になれます。

重要なのはチャートから事実を読み取ることです。左の銘柄は今現在買われているから上がっている、右の銘柄は売られていることで下がっている、これは明確な事実です。

マーケットは常に事実を示してくれます。それならマーケットに合わせて取引するほうが勝つ可能性は高い、これが順張りの考え方です。

逆張りも投資手法の一つではありますが、逆張りはマーケットに逆らう投資手法になります。自分で考えて投資することは大切ですが、事実を直視することを忘れないようにしましょう。相場のことは相場に聞くしかないのです。

勝敗ではなく損益

利益確定とは、含み益が出ている銘柄を売って現金化し、利益を確定させることです。損切りはその逆で損失を確定させることを言います。

言い換えれば利益確定は勝ちを確定させること。損切りは負けを認めることとも言えるでしょう。

人間誰しも勝ちたいものです。少しでも含み益が出ると利確に走りたくなります。逆に含み損が出ていると『いつか上がるかもしれない』と塩漬けにしてしまいがちです。

しかしここに落とし穴があります。株式投資の目的は最終的な損益をプラスにすることです。勝ちを積み上げることではありません。例え1勝100敗でもトータルの損益がプラスであれば良いのです。

何よりも大事なのは相場から退場しないこと。お金が無くなってしまえばゲームオーバーです。 

投資に絶対はありません。負けるときは負けます。答えは相場が決めるもので、自分でコントロールするのは無理でしょう。

最も重要なのは負けた時に損失をいかに少なく出来るかです。そのためには出来るだけ早く損切りすることが非常に大事です。

損切りの判断に運要素は関係ありません。切るか切らないかは全て投資家の判断に委ねられているのです。

早く利益確定をすることは、今日の小さな勝ちのために未来の大きな勝ちを捨ててしまうことです。投資は花壇で花を育てるのに似ています。雑草は早く損切りして、キレイで大きな花を育てましょう。

「満開の春の花ばたけ」の写真

ナンピンは最悪の手法

ナンピンとは下がっている株を買い増すことです。下落局面で株を買い増すと購入単価を下げることができます。ほしい株が下落したことで買いやすくなったとナンピンをする人が多いようです。

しかしながらナンピンは非常にリスクがあります。cisさんもこの本の中で『ナンピンは最悪の手法』と仰られています。そのまま株価が下がり続ければ大きく損失が倍々で拡大してしまいます。

順張りの項でもお話しましたが、下がっている株を買うのは逆張りです。ナンピン買いは究極の逆張りで、順張りとは全く逆の『自分が買った直後に上がるだろう』という、事実を無視した投資と言えます。

ナンピンするということは既に、今持っている株は下がっている ➡ 損をしているということです。つまり、ナンピンは自分の敗北を認めないことと同義。自分の行動を省みることが出来ないと成長はありません。

ナンピンした結果損失が拡大してしまい、売るに売れなくなって損切り…これは典型的な負けパターンです。下手をすると相場から退場せざるを得なくなります。

損が出たらやるべきなのは買い増しではなく損切りです。いかに早く損切りして損失を最小限に抑えるのか。繰り返しになりますが、損切りの早さがとても重要です。

仮説を立てて一匹目のドジョウを

最近は株の世界にも有名なYoutuberの方が増えてきました。彼らが紹介する銘柄・手法には魅力が多いですよね。

ただ、他人から紹介されたネタというのは所詮2匹目のドジョウです。すでに市場は食い荒らされて残り物しか残っていない。

それでも利益を拾えることはありますが、1匹目のドジョウよりは小さくなってしまいますし、なにより、情報が来るのを待ち続ける受け身の投資になってしまいます。

ではどうするか?我々も1匹目のドジョウを狙うのです。そのためには日頃から想像力を働かせて、仮説を立てる訓練をすること。

仮説を立てる ➡ 試す ➡ 失敗 ➡ なぜなぜどうして? この繰り返しです。

自分で考える力を鍛えないと、いつまでたってもインフルエンサーの方々には追いつけません。差をつけられる一方です。

自分で考え、自分で試す。常に自分が発信する・世の中をリードする。そのくらいの気持ちがあっても良いんじゃないかと思います。

まとめレポート

書籍紹介

ABOUT ME
ハリー@投資ノート
株式投資勉強中の30代エンジニア 方眼のノートを駆使して 投資の基礎知識・書籍のまとめを作成しています わかりやすいノートの作り方もアウトプットしていきます